金時荘は、温泉民宿です。
昭和26年から変わらず、大涌谷から引いたかけ流しの白い濁り湯をご提供しています。
民宿ですので、旅館やホテルよりもリーズナブルです。そのためお宿の施設はあれもこれも整っている訳ではありません。
客室は7室、28名様収容の木造建築で旅館などに比べると小さめです。
多くの人で賑わう箱根湯本からも離れ、金時荘のあたりでは箱根を渡る風や、夜になれば季節によっては虫の音ばかりがするような静かな環境で(静かなぶん、たまに通る車の音もよく聞こえますが 笑)、お土産物屋さんや、歩きながら食べられる串に刺した料理、多くの車の行き交うことのできる駐車場もありません。
観光スポットへ行くには車やロープウェイを利用する必要があります。
また、歩いてすぐに著名な観光スポットがある訳でもありません。
大人数でワイワイと楽しむような観光には向いていないかもしれません。
金時荘にあるのは、季節によって新緑から鮮やかな赤に彩られる眼前に広がる箱根の自然と、変わらず流れ続ける金時荘自慢の白いにごり湯だけでございます。
白いにごり湯のこと
あまり知られていませんが、一口に温泉といっても1つの土地に湧く温泉にはいくつかの種類があります。
箱根には全17種の湯が噴出しており、それぞれに特徴がちがいます。
金時荘の位置する箱根町強羅には、17のうち4種類の温泉が湧いています。
金時荘の唯一にして最高の自慢は、この4つのうちの1つである大涌谷から湧く温泉を利用した白いにごり湯です。
男湯
箱根火山の中でもっとも噴気の多いと呼ばれる大涌谷を源泉とし、59.2℃という熱さで湧いています。
この温泉は噴出量が少なく、かけ流しとして提供するのが難しい温泉です。
しかし、かけ流しではない、循環装置を利用した温泉は衛生面の問題から消毒などを強く行わなければならず、泉質を大きく左右します。
そのため、この源泉と大涌谷で噴出する火山性ガスを含ませた水源を混合し、長い管を通して湯船に運ぶことで冷まし、金時荘の温泉としてご提供しています。
これらはすべて大涌谷で行われ、温泉を送管する設備には毎日大量の湯の花が付いてしまうので、清掃が困難であることも有名です。
湯温は42〜45℃と熱めですが、冬ともなれば標高約700メートルを越す場所に位置することから寒く、夏でも自然の中で照りつける太陽でかいた汗を流すと、湯から出た後にはさっぱりとした気分でお部屋にお帰りいただけます。
湯の適応症は筋肉痛、関節痛、リウマチ、神経痛、冷え性、喘息、自律神経不安定症、アトピー性皮膚炎、皮膚乾燥症など。
にごり湯は天然自然のものである性質上、濃淡は日によってちがいます。
女湯
この温泉を守り、変わらずご提供し続けていくのが温泉民宿の使命であり、宿泊者様の醍醐味でもあります。
湯船も、露天に内湯、ジャグジーにサウナなどのような、豊富な施設はご用意しておりません。男湯と女湯にそれぞれ内湯が1つずつ。
純粋に温泉を楽しみたい、箱根という土地の空気を感じながら静かにゆったりと過ごしたいという方にオススメいたします。
また、箱根の17湯すべてを楽しみたい方向けの情報もご用意しております。気になる方はお声がけください。
小さな民宿です。しかし、心ゆくまで温泉をお楽しみいただけるよう、心をこめて準備しております。
皆様のご来訪、お待ちしております。