箱根に釜を築いて35年仙石窯の生活陶器や陶の灯りで気持ちを豊かにしてくれます
箱根には、陶芸を体験できるところはいろいろあります。
観光地ですから、クラフトハウスとか、旅館やホテルやお土産屋さんに併設された陶芸教室などです。
旅のしおりの1行程の中で、ちょい体験で湯のみを作ったり、ぐい呑みを作ったり、自分の作品が出来上がるのが、旅の思い出にもなって、面白いものです。
今回紹介する箱根の陶芸の釜は「仙石窯」です。
仙石原にギャラリーと工房があり、陶芸体験教室を開いていて体験ができます。
私の運営します温泉民宿の箱根金時荘では、温泉餅と一緒に提供する、箱根の湧き水で入れるお茶の湯呑み茶碗やコーヒーカップを探していました。
箱根の湧き水には、箱根で造られたお茶碗が良いのでは、と箱根にこだわったら、「仙石窯」が浮上してきました。
仙石窯は、箱根湯本駅から、「仙石原小学校前」下車徒歩で5分、近くにはガラスの森美術館や星の王子様美術館などがある通りを一つ入った小道に立っているので、とても静かな場所です。
ギャラリーを訪ねて、陶芸家の黒川淳さんと色々お話をして、驚いたのは、私と同じ大学を出て、同じ学年だったことです。
さすがに、学部や学科は違いました。
陶器を作る土は、箱根の物は適さないようで、黒川さんの生地である福井や、修行をした佐賀県の土を使っているそうです。
展示してある湯呑みやコーヒーカップを持った感じ、握った感じがどっしりして、暖かく、馴染みが良いです。
主に作品に描かれているのが、「ヤマブドウ」で、工房を建てる時、土地の真ん中にどっしり生えていて、どうしても切らないと、建設できないので、泣く泣く切り倒したとのことです。
そんなエピソードを伺って、ヤマブドウへの哀愁が作品の図柄のモチーフになっていったらしいです。
陶の灯りは、月や星、木や鳥などが光に映し出されて、癒される、照明なのに芸術で、インテリアで、おしゃれで綺麗で、癒されました。
黒川さんのモットーは、「陶器は使ってこそ価値がある」から食器、酒器、花器などの生活陶器など、作品が多種にわたり展示、販売しています。
温泉餅のイメージに合うなあと試しに、購入しました。
ヤマブドウの葉が箱根早雲山の裏山に生えているみたいで、とてもぴったりに感じました。
温泉餅に我が家の自家製あんこと抹茶塩をつけて召し上がれ、箱根の湧き水で入れたお茶と共に。
箱根金時荘の名物ができればと考えましたメニューです。
知る人ぞ知る箱根の仙石窯で造られた陶器の話でした。