箱根の山は天下の険を歩くには<甘酒茶屋>が必要です

立春を過ぎて半月も経つのに、雪は降るは、しかも道路の両脇にいまだに残っていて寒い日が続いています。

皆様はお元気でお過ごしですか。

寒い日は、甘酒が美味しいですよね。

箱根の旧街道には「甘酒茶屋」があります。

江戸時代に東海道をくだってお伊勢参りの道中に、箱根宿を目指す途中に茶店はいろいろあれど、甘酒茶屋は有名です。

芦ノ湖から畑宿方面へ続く旧道を車で走っていくと、江戸時代にタイムスリップしたかのような茅葺き屋根の茶屋が現れます。

箱根 甘酒茶屋
箱根 甘酒茶屋

甘酒茶屋の前に立つと、煙で燻されたような匂いが立ち込めて、何か美味しいものを焼いているのかなと、胃袋を刺激する煙です。

店の奥にある囲炉裏を覗いてみたら、お鍋が吊るされていましたが、ただ燃し木が燻されているだけでした。

甘酒と力餅のいそべを注文しました。

甘酒には蕗のとうの醤油煮がついていて、甘酒はアルコール無しなので、運転者も安心していただけます。

甘酒の甘さの加減は、甘味大好きな私には少し物足りなさを感じましたが、これが世の中の平均的な甘さだと、舌で感じることができたのは、良かったです。

いそべは、「佐藤の切り餅」より大きいサイズで厚みがあり、ボリューム満点なので、おなかに溜まります。

お餅の焼き方も焦げ目がしっかりついて、お醤油の絡み具合も程よくて美味しいです。

ハトムギとウコンとドクダミからできているお茶は、体に良さそうな独特な苦味があるお茶でした。

お店の中で、暖房はこの石油ストーブだけですから、土間で切り株の椅子に座っていただくのですが、上着を脱がなくて良いくらい寒いです。

入り口の扉は開け放しているので、風がスースー入るし、江戸時代の茶屋のイメージですから、エアコンが見えたら興醒めですし、寒さが甘酒の温かさをひき立たせてくれるのです。

芦ノ湖から旧街道を散策しながら歩いて移動する人たちを見つけましたが、ご年配の人が多くて、ワクチン3回目の接種が終わった人たちが外出に積極的になってきたということなのかと思いました。

ただまだ雪が残っていて、日陰などは滑っているので、この時期はハイキングには向かないと思います。

旧街道は芦ノ湖から畑宿を経て箱根湯本まで続いているので、バスも運行していますから、バスの運行時間は、1時間に何本もないですが、雪道で滑って怪我をするよりもスイスイとバス移動の方が安全だと思います。

畑宿と箱根宿の中間にある茶屋は、赤穂浪士の神崎与五郎が馬子に言いがかりを付けられたおり、「大事の前の小事」と詫び状を書いたのがこの甘酒茶屋であったとの伝説が有名だそうです。

宿場と宿場の箱根八里のうちには、13軒の茶店があり、街道を行き来する旅人に必要な休憩の場でした。

箱根の山は天下の険と歌に歌われるように、箱根湯本から険しい山道を登って山間の甘酒茶屋で江戸時代の旅を真似てその雰囲気にひたるのも面白い体験だと思います。

箱根の民宿小話

箱根町が編纂している「はこねの手引き」によれば、ペンションは12軒です。民宿もペンションも自称登録ですから、和風なペンションもあります。