思い立ったが吉日一人旅へ出発
令和5年が順調にスタート致しまいて、正月の賑わいも一段落で自分の休みがやってきました。
前日のお客様を送り出せば、すぐに出かけられる準備もせぬまま、明日出発して泊まるところを決めることもせぬまま「ま、何とかなるでしょう。」と気楽に考えておりました。
お客様は、9時早々にはお発ちになられました。
それから携帯の充電器と持病の薬とお金だけは忘れずに持って、いざ初めての一人旅に出かけました。
いくら、なんとかなるでしょうと思っても、一応は頭の中で目的地は2、3考えていました。
箱根へ訪れるには、都会から小田急ロマンスカーで2時間あれば余裕で到着します。
都会から2時間くらいの温泉地という事で、そうだ、鬼怒川温泉へ行こう。
鬼怒川へは、浅草から東武特急スペーシアでいけるし、所要時間も都内から2時間30分ぐらいでちょうど良いと即決定です。
小田原から新幹線で40分東京駅から山手線1つ目の神田で銀座線に乗り換えれば、浅草まですぐです。
浅草は、すっかりコロナから解放されたように、アジアからの観光客様が多く、以前の賑わいを取り戻していました。
最近の流行りか、若い人たちは和服姿での散策が、外国からの観光客も和服で散策しています。
少し薄手の生地なので、寒くないかなと心配してしまいます。
浅草寺の道路の向かいのどら焼きで有名な亀中は、行列しないと買えない状態で仕方なく並んでどら焼を買いました。
東武浅草駅から、スペーシアに乗って鬼怒川温泉へ向かいます。
駅弁とか車内販売がないので、どら焼を食べて空腹を満たします。
車窓の風景が都会の下町からのどかな自然と川が現れたら、2時間で鬼怒川温泉に到着しました。
予約していれば、宿泊先のチェックイン時間が来るころなのに、泊まるところも決まっていないのが少し心配になったのはなぜかと言うと、駅前のひっそりとした光景を見たからです。
週の真ん中の水曜日とは言え、人がいないなんて、箱根の玄関箱根湯本駅とずいぶんと違います。
にわかに宿泊先を決めなければと、心配が頭をもたげて来ました。
色々なホテルの日帰り温泉を回って、それから泊まる宿を決めようなんてぼんやり考えていましたが、駅近くの日帰り温泉をやっているはずのホテル三日月が休館だったことや、他の目星をつけていた施設がメンテナンス休館ということを知り、慌て出しました。
駅構内にツーリストセンターを発見し、お宿のお世話を頼みました。
希望条件1、全国割が使えること。
2、1泊2食付き
3、なるべく安いこと、でも一人利用は割高で仕方ないなので、1万5千円ぐらいまで。
それらを聞いて、担当者が二人がかりであちこち電話作戦が開始されました。
料金の条件がクリアしても、一人利用がネックです。
街は閑散としていて、まだ時間も早いのに、一人と聞くと「満室です」と断られました。
一人旅って、本当に予約が取れないのです。
ましてや、平日の水曜ですから、定休日にあたる旅館、ホテルもあるでしょう。
宿泊希望者になってみて、一人旅が歓迎されないことが分かりました。
私が運営いたします、箱根金時荘では、一人利用のお客様もお受けいたしておりますが、他にお客様がいない時には、少し躊躇して、朝食だけのプランか素泊まりを提案させていただいてしまいますね。
施設側の考えがよくわかるので、納得です。
いろいろ当たっていただいて、お食事もバイキング形式にも納得して、全国割を使って、15300円で手を打ちました。
料金の中には、手配料550円も含まれます。
一人旅の宿の予約がこんなに困難だと、身をもって知った私は、一人予約のお客様にもっと寛大になろうと心に決めたのでした。
でも休館日の融通はしませんけれど。
手配いただいた鬼怒川プラザホテルまでは、ダイヤルバスという、各ホテルを回って降ろしてくれる、料金200円のバスで行きます。
箱根湯本温泉にも似たような、温泉旅館組合のバスがありましたっけ。
フロントでチェックイン時に、ワクチン接種証明と身分証明を提示するのが、全国割のお約束です。
コロナ感染予防の観点から、スタッフの接触を避けるため、館内案内を受けたら、自力で部屋まで到達します。
四人部屋仕様なのか、浴衣や布団類は4つあります。
窓から、鬼怒川が眺められるお部屋ですが、トイレは付いていますが、バスタブのないシャワーだけ完備でした。
温泉は大浴場に入るのですから、バス付きでなくても大丈夫でした。
温泉大好きですから、真っ先に大浴場に向かいます。
更衣室は広く、カゴの棚も20ぐらいあります。
空いていて、私の他には二人しかいません。
のんびり、ゆっくり温泉を楽しめるとうれしくなります。
内湯は、長方形の浴槽が2つ繋がってあり、あつめとぬるめの区別が書いてあります。
洗い場で体を流して、しかしながら、シャワーが熱くなりません。
どのシャワーも温度設定が40度以上にならないのです。
ささっと浴びて、熱い温泉の方にざぶんと入ります。
ちっとも熱くないので、温泉が注ぎ込むところにじっと座ってあたたまりました。
露天風呂は、円形のジャグジーと四角い檜風呂です。
鬼怒川の崖っぷちに立っている建物ですから、川風が冷たくゆっくり温まっても寒いです。
もう一度内湯でじっくり温まって、シャワーは温度不足ですから、洗髪などはできません。
私の温泉民宿のシャワーもではじめはぬるくても、出し続けると熱くなってきますが、ここのシャワーは自動でストップしてしまうので、温度が上がらないのです。
更衣室には、ドライヤーも付いています。
洗面台や椅子なども備えてあるので、ゆっくり癒されます。
他の女性客は夕飯前にお風呂に入らないのか、空いています。
温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉でpHは9,0です。
さらっとして、体にまとわりつかない温泉でした。
じっくり長く入って、体を温める温泉なのだと思いました。
夕飯は、バイキングでしゃぶしゃぶです。
お肉やお野菜のおかわりを補充して、色々なお料理、果物やデザートもあります。
一人旅は、お食事の時が寂しいですね、ただひたすら食べるだけですから、でもあの駅前の閑散とした感じでは、食堂すらないかも知れなかったので、夕食にありつけたことだけでも感謝です。
エレベーターのポスターで、大浴場の提携サービスを知り、ホテル大滝の温泉にも無料で入浴できるので、翌朝の朝食後にそちらの温泉へと出向くことにしました。
そして、鬼怒川の日帰り温泉体験記のご報告は次回へと続きます。
ひとまず、思い立ったが吉日の一人旅が思い通りに行かない旅の始まりだったことをお伝えしました。