温泉民宿の仕事 調理のこと

箱根の早雲山で大涌谷の掛け流し温泉の温泉民宿であります、箱根金時荘でございます。

民宿の朝、5時30分のエントランスの模様です。

まだ灯りを点けません。

朝刊をテーブルに置きに来ただけです。

朝食は8時ですから、お客様はまだまだお休みだからです。

冬などは標高が高いため朝の気温は5℃以下になり、とても寒い中朝の調理の仕事を開始します。

筍

新鮮な筍が届いたときの話です。季節の食材は天然自然のものなので確保が難しいときもありますが、やはり手に入るときにはなるべく新鮮なうちに献立に上げたいものです。

まずは下茹でからです。

外側の幾重の皮を包丁で破りながら剥いていきます。

水をヒタヒタに張り、ぬかと唐辛子を3本くらい入れて2時間くらい茹でます。

一晩その汁ごと冷まして、翌朝流水でさらし続けます。

茹で上がりました、とても柔らかそうです。

筍は、その部位によって歯応えや柔らかさが違いますので、筍ご飯には穂先の柔らかい部分を使って細かく薄く刻みます。

真ん中の部分はイチョウギルにして煮物や炒め物にしますし、根本の部分は歯応えがあるので、細く切ってめんまやきんぴら風の常備菜にします。

炊飯する30分前にお米を研いで洗い、ザルにあげて水気を切ります。

油抜きした油揚げも同様に刻んで炊く時間になったら、筍とともに混ぜ合わせて、水加減と出汁と酒とうすくち醤油と昆布を入れて炊きます。

油揚げからほんのりとこくと旨みが出て、おいしさがアップします。

お客様用のご飯は、この3升炊きのガス釜で炊くのですが、1升から3升まで炊けるのですが、ガス釜で炊くご飯はとてもふっくら水みずしくて美味しいです。

ガス釜では、炊き上がり時間が短くてたくさんの量を炊くからでしょうか、よく分かりませんが、電気炊飯器との違いも少しだけ分かります。

炊き込みご飯に使う調味料はこちらです。

お醤油は薄口醤油を使うことで、仕上がりをあまり茶色くないご飯にします。

ヒガシマルは煮物やお吸い物など色を抑えたい時などによく使うお醤油で、色は薄いですが、ちゃんと塩味はしっかりあるので、重宝しています。

醤油には5種類くらいあり、濃口醤油は、世の中のお醤油の8割を占めている一般的なお醤油で、お刺身につけたり、お魚の照り焼きにしたり、濃い色をつけるのに適しているようです。

うすくち(淡口)醤油は、濃口醤油よりも塩分が1〜2%多めの塩分を使ってゆっくり発酵熟成しているということで、お吸い物や炊き込みご飯の甘味が引き立つらしいです。

たまり醤油はとろみのある濃厚な醤油で、青魚の臭みを和らげたりするので、刺身などに使いますが、好みはそれぞれですから良いと思います。

再仕込み醤油というのは、九州地方で作られている少し甘くて濃厚な醤油で、宮崎の親戚はこの醤油で刺身をつけて食べますが、関東育ちの私は、やっぱり関東の濃口醤油で食べる刺身が好きです。

最後に白醤油というのも、よく聞きます。

うすくち醤油よりもさらに淡く、薄いお色をしていて、さっぱりしたサラダのタレとか、茶碗蒸しに向いているそうです。

ぜひ、醤油も献立に応じたものを取り揃えて試してみたいものです。

新しい発見があるかもしれません。

当館では、調理には料理酒を使わずにいつも普通のお酒を使っているのがこだわりです。

ガス釜での炊き込みご飯の写真を撮り忘れ、電気炊飯器の筍ご飯出来上がりの写真ですみません。

この日の献立の写真です。

炊き上がったたけのこご飯には、木の芽を添えてお出しします。いかがでしょう、美味しそうでしょう。

調理のこだわりと言えば、白身魚のホイル蒸しのメニューではホイルにこだわっています。

このホイルはタフと書いてあるように、少し厚めなので破れにくく、穴もあきにくいです。

まずステンレスのもり台の表面を乾いた布巾で乾拭きします。

濡布巾で拭いた後もしっかり水気を乾燥させないと、ホイルがステンレスの盛り台にくっついてしまうからです。

ホイルを30センチくらいに切って並べて、白菜の堅いところを三角形に並べます。

白身魚をその上に置きます、白菜を三角形は置いたのは、白身魚が滑り落ちることなく安定させる為の工夫です。

白菜のはの部分とにんじんは彩りで加えます。

白ネギとしめじと舞茸を手前に置きます

たくさんのホイルもこの業務用の蒸し器ならば、1度に蒸すことができて、しかも茶碗蒸しも入るので、とても便利です。

業務用の3段になっているので、時間を見計らってホイルのお魚を12分タイマーして、2段目と3段目に入れたら、12分後に茶碗蒸しを1段目に入れてあと6分のタイマーにします。

15分で2種の献立が出来上がりますが、食事の時間から逆算して蒸し器が沸騰するまでの準備もあるので、絶えず時間を確認しての作業になります。

お客様が3人までの時は、普通のお鍋形式の小さな蒸し器の方が、使い勝手が良いです。

万能ネギの小口切りとポン酢をかけて、こんなふうに出来上がりました。

今日の爽やか柑橘は、小田原特産の湘南ゴールドの小さいサイズです。

湘南ゴールドは、サワーに混ぜて酎ハイにしたり、もちろんそのままフルーツとして美味しく食べられますが、爽やかな甘さと柑橘の酸っぱさがレモンやスダチやカボスと違い、この時期ならではの、箱根ならでは仕入れられるのでお出ししています。

季節により、カボスになったり、レモンになったり味の変化も楽しめると思います。

民宿のお仕事の調理の一コマを話させていただきました。

普段何気なくスーと流れるように作業していたことを、1つひとつカットして確認したことは、自分の仕事を再認識する良い機会です。

まだ勉強が足りずに知らないことも多い民宿の仕事ですが、いろいろな事に好奇心を持って働いていこうと思います。