白い温泉とブリカマで秋を満喫しましょう

夏の繁忙が過ぎて、週末を除いてすっかり落ち着いた雰囲気の箱根です。

少し切れてしまった障子張り替えを、今の時期補修しています。

箱根金時荘は、家族で営業していますので、それぞれの得意分野を受け持ちち、死ぬまで現役の精神で、94歳の母の力も惜しみなく借りております。

障子張り替えは、お正月営業をしていない頃は、年末の大掃除の一環で張り替えていましたが、今では、乾燥する真冬こそ張り替えの絶好期と知りつつも、3月などの新年度前にしています。

夏休みが終わった時点で、3枚ほど張り替えましたが、どうしても張り替えたものと、並んで白さ具合が一目瞭然ですが、多めにみてください。

94歳の母は、22歳の年に小田原の海辺の町からこの山奥にお嫁に来ました。

当時は、街灯もなく道路も砂利道で山の中なので「こんな所に来てしまった」と後悔しきりだったそうです。

母がいうには、昔は小田原でぶりが沢山獲れたそうです。

母の実家は、藁を扱う商売をしていて、台風の時などは土嚢にする藁を買い求めにトラックが何台も入り口に連なったと話します。

小田原の酒匂漁場が近かったので、大漁時にはぶりを沢山もらった話につながります。

ぶりと言えば、日本海側の寒鰤が有名で寒い時期に脂の乗った丸々太ったぶりを思い描きます。

ところが箱根の入り口の小田原でも、ぶりが知る人だけが知っている美味しい名物だったのです。

箱根金時荘では、オプションでご注文いただくお料理の中に、焼き魚二種盛りがあります。

魚の種類は旬の魚で、こちらにおまかせしていただいていますが、ある時ブリカマを出したところ、ブリカマとご指定での注文をいただきましたので、それ以来、ブリカマを仕入れることが増えました。

ではここでブリカマの美味しさをお伝えしたいと思います。

カマとは、魚のエラから頭にかけて脂身が乗っていて美味しい部位です。

一尾から2つしか取れない希少部位です。

塩焼きにして皮目の方にこげを作って美味しそうに仕上げますが、食べる時はひっくり返して、身をほじって食べます。

ひっくり返すと身がいっぱい付いていて、焼き上がりの表面が脂でジュンジュンして、思わず身を取って口に入れます。

次に柑橘を搾ってまた一口。

さらに醤油をかけた大根おろしでもう一口。

脂がジュンジュン口の中に広がり、薬味と相まってお酒にピッタリではないでしょうか。

焼き上がりにこんなに味がぎっしりで食べ切れるかなと思いましたが、ペロリとあっという間に食べ終わりました。

カマの部分は美味しいので、鮭やカンパチやマグロなども魚屋さんで見つけられます。

マグロなどは、煮魚にすることの方が多いですが、甘塩鮭のバラ売りなどでは、真っ先にカマの部分をカゴに入れてしまいます。

同じ料金なら、カマは大変お買い得だと思います。

秋は新米の美味しさもありますが、美味しいおかずがあればご飯がすすんでおかわりしちゃいます。

9月に入って、台風がウロウロして曇りで肌寒い日が続いて、秋晴れはいつの事やら、と思っていましたら、日曜にいいお天気になりました。

いつの間にか長袖でなくては肌寒い感じです。

ここは標高が780mですから、日中は半袖でも朝夕は羽織るものが絶対必要です。

箱根金時荘の前の道路は、大涌谷へ続く道です。

大涌谷は朝9時から17時まで時間規制があるので、日曜の9時ごろは駐車場入り口への渋滞で少し待つみたいです。

日曜などは、車の往来も頻繁で、特に晴れの日は出だしの時間も早いですね。

行楽に良い季節がこれから始まります。

大涌谷の白い水蒸気がもくもく噴き出す光景と反対側に、富士山を見上げて、青い芦ノ湖を見下ろすいという景色を是非堪能していただきたいです。

大涌谷には「1つ食べると7年長生きする」という温泉吹き出しの中で作る黒たまごが有名ですから、ぜひご賞味あれ。

紅葉にはまだ時間がかかりそうですけれど、美味しいものと綺麗な景色が皆様をお待ちしています。

箱根金時荘では、白い濁り湯温泉が皆様をお待ちしています。