塔ノ沢温泉 <一の湯 本館> 大浴場にみる歴史を大切に守り伝える温泉

塔ノ沢温泉の一の湯 本館は、国指定の登録有形文化財に指定された歴史的景観の老舗旅館です。

箱根湯本駅前を芦ノ湖まで続く国道1号線沿いに面しているので、箱根湯本駅から100円で乗車できる送迎マイクロバスに乗れば簡単にたどり着けます。

箱根 一の湯
一の湯 塔ノ沢

いつも国道を車で走りながら、この看板を見ながら立ち寄り入浴をしてみたいと思っていました。

玄関を入り、フロントで1100円を支払い、フェイスタオル付きと言うことで、ラッキーと思いました。

一の湯 温泉

内装は老舗感満載で、歴史ある建物を大切に保存し維持することを継続する努力にはお礼を言いたい気持ちになります。

温泉 大浴場

赤い暖簾の大浴場に入ります。

更衣室に入ると、15人分の棚の籠があり、洗面は昔ながらの銅板でできた流し台タイプで、水道から温泉が出て、「飲めません」と書いてあります。

浴室に入ります。

大きな楕円形の浴槽がドーンと温泉をなみなみとたたえて存在感ありです。

洗い場、浴槽は平らな黒い鉄平石で出来ていて、重厚感があり、透明温泉なので、浴槽内の石まで見通せます。

体を洗おうと思ったら、給湯がないのか水の蛇口しかありません。

シャワーは1つありますが、お湯のは出ないみたいで、その代わり掛け流しの温泉が、「流れる上がり湯」と称して桶で汲んで使うようになっています。

古き良き「不便さ」をお楽しみください。と書いてあり、不便を逆手にとって、不満にならずに特色にしているのには脱帽です。

温泉成分を真湯で洗い流さないで味わいなさい、という思いやりでしょうか。

これはもう、ただただ湯船に入って温まるしかないですね。

そこで、泉質は、アルカリ性単純温泉、pHは9.1、無色澄明無味無臭、肌にまとわり付いて、温度は41℃なのでじっくり温まる温泉です。

水道蛇口は4つあり、シャンプー、コンディショナー、ボディソープがありますが、シャンプーしたら、温泉で洗い流すのはどうかわからないので、今回はやめておきます。

汗が出るほど温まったので、もう上がります。

更衣室に出ると、扇風機が気持ちよく、でもヘルスメーターがありませんでした。

流し台は4つの蛇口とスツールが5脚あり、何よりも足のマッサージャーと足裏振動マッサージャーが設置してあるので、ゆっくりマッサージしていました。

嬉しいことに、無料です。椅子には、腰のモミモミも同時進行できるので湯上がりの癒しは最高でした。

入館したのが3時前でしたので、大浴場利用者が私1人で、また貸切湯のように楽しめました。

建物は早川沿いに立っているので、全客室は早川に面して、川を眺めながら、露天風呂付きの客室などは良い雰囲気なのだろうと想像します。

早川 箱根

大浴場でも川の音は結構大きくて、雨上がりだったりすると流れが多いのか、一人じめのお風呂だったから、それは自然の音だけで入浴できる何よりの贅沢でした。

湯上がりののぼせをさましながら、国道を箱根湯本駅まで歩いても10分くらいなので、車の往来に気をつけながら歩いてください。

歴史の古い温泉旅館が隣立している塔ノ沢温泉の次回は何処にしようかとあちこち見回しながら歩いて行くのでした。