姥子温泉 <秀明館> 金太郎の目洗の湯は巨岩から滲み出る神聖な温泉

当館金時荘の前を走る県道734号線は、箱根のランドマークである湯煙と蒸気が噴出する大涌谷へ続く道です。

温泉の蒸気で生たまごを黒いゆで玉子にして、「大涌谷の黒たまご」を1個食べると7年長生きのコピーで有名な大涌谷です。

箱根湯本駅から伊豆箱根バスに乗ってカーブくねくね山を登ってくるのも良いです。

道路の渋滞を心配せずに行動するには、箱根湯本駅から登山電車にのって移動すれば、今の季節は目に染み渡るような新緑を窓辺に探せます。

登山電車で30分、終点の強羅でケーブルカーに乗り換え10分早雲山に到着です。

そのあとはロープウエイの空中散策で高いところから新緑の景色を眺めるのも悪くないです。

今回の目的地の姥子は2つ目の駅ですが、1つ目の大涌谷駅に到着前の5分が蒸気がシューシュー上がって、硫黄の臭いがきつくて、深い地獄谷をゴンドラが空中移動で風にゆらゆら揺れたら、足がすくむ体験ができます。

大涌谷 富士山
大涌谷 蒸気噴出

姥子で下車して、歩いて8分、バス乗ってきたなら下車バス停の姥子中の前に秀明館の看板があります。

姥子温泉 箱根
箱根 日帰り温泉

姥子温泉 秀明館 とだけ掘ってあります。

日帰り入浴できるのか。大体、なんの施設かもわからない。知ってる人だけ勝手に入ってゆく敷地という感じです。

私は、秀明館がその昔温泉旅館であったことを知っていたので、オーナーが替わって日帰り温泉となったからにはぜひ入ってみたいと思ったのです。

ですが、この看板だけでは、日帰り温泉を営業しているとは誰も気付かないでしょう。

営業方針なのでしょうか、広く門戸を開けてないように感じます。

砂利道を進んでいくと、自動車が6台駐車しています。

6組以上は来館しているんだなと思います。

入り口に立ち、建物を見渡すと、古民家という言葉がぴったりの昔からの旅館の感じです。

お帳場という言葉を使いたくなる、フロントで入湯のみの料金1500円を支払います。

入湯のみは15:00からの利用しかできません。

利用料の種類は3種類あって、湯床はこじんまりと休憩する個室、1人2時間2000円から、ゆったりと休憩する中座敷1室は四時間6000円、利用する人数によってどちらも10:00から17:00までゆっくり湯治できるのです。

この建物は、15年ほど前にそれまでの建具を再利用して再建されたので、一見壊れそうな古い家に感じますが、よくみると廊下や柱、座敷の板襖などはしっかり綺麗で洒落て古く見せる演出なんだと合点がいきました。

置いてある籐の椅子や木製の机など、大正から昭和初期のものです。

私などは、「かつて家にもあったのにみんな捨ててしまった。」と懐かしんだり、それを知らない娘世代は「レトロでいい雰囲気」落ち着いて癒されるといいます。

姥子温泉は、金太郎の目洗の湯として効能には眼病に効くとある。

山姥が金太郎の目を治したとの言い伝えがある。

そのお風呂へは、ぐるぐると回廊というべきか、渡り廊下は換気のためか、寒いくらい窓を開け放し、中庭を見てここで湯上がりはゆっくり風に当たるのい良い場所だなと確認できます。

途中に、かつての厨房の名残を見ることができて、神棚が祀ってあって、湯治客が自炊していたたお釜があります。しかも真っ黒に塗ってある。お竈さん(おへっついさん)って昔言ってました。

その時から時が止まっているみたいです。

内装や調度品にいちいち目を奪われながら渡り廊下を進みます。

ああこれも演出なんだ、と思いながら。

女風呂の入り口を行くと。8畳間に木製の椅子が2脚真ん中に設置してあり、湯上がりはここで休憩できるんだなと確認です。

その先にいよいよ浴槽、え、脱衣所はどこ、と探すと、浴槽を仕切る扉はありません。

6分割の棚に衣類を入れて、鍵付きの貴重品ボックスもあります。

階段を7段降りるともう浴槽です。

湯船の手前に温泉が手洗いのように流れているので、そこで体を湿らせてさっと流してから入ります。

なぜかというとカラン、シャワーがないからです。もちろんシャンプー類もありません。

正面には岩がガーンとあって、太くて長いしめ縄がドーンと祀ってあります。

荘厳です。

温泉は岩から滲み出ているわけではなく、横のパイプから湯量豊富に注入されています。

浴槽は真ん中で仕切られて、右側は温度が40℃くらいで少しぬるくて深さが浅めで、底が小石がゴロゴロして自然な足ツボマッサージみたいです。

左側の浴槽は、温泉の注入パイプ側なので温度が高くて今日はこちらの温度があったまります。

泉質は単純温泉、弱酸性、P.Hは3.4です。微かな硫黄臭あるけれど無色透明です。サラッとしたした肌触りです。

シャンプーやシャワーやカランがないのは、自然のままの岩盤湯壺のために洗い場も作らず、じっと病気治療の為に静かに入ってあったまるのです。

自然の恵みである温泉に入らせてもらうので、川や森を汚さないようにしますって約束を交わすことです。

静かに温泉に入れていただいたあとは、入湯のみのお客が休憩できる天気が良ければ富士山を望めるお部屋で、ゆっくり休めます。

さっきのお竈さん(おへっついさん)の所に、隠れるように飲み物の自販機があったので、酒類は持ち込み禁止のルールですが、喉の渇きを満たすことはできます。

古き良き大正、昭和初期にタイムスリップして止まった時の中で放心することがリラグゼーションってことではないかと思うのです。

それができるのが姥子温泉の秀明館です。

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