芦ノ湯温泉 <きのくにや>  美肌の湯の効果がすぐわかるとろりんで肌に優しい温泉です

今回目指すのは芦ノ湯温泉です。そこに行くには箱根の玄関である箱根湯本駅から小一時間のバスの旅です。

お土産屋さんが立ち並ぶ駅前通りは国道1号線が芦ノ湖へ通ずる道です。

「箱根町港」「元箱根港」行きのバスに乗ります。            

箱根の山なのになぜ港?なぜかといえば、芦ノ湖の観光船の発着駅名で湖へとお客様を誘っている感じでロマンを感じます。

国道を走っていくと湯本の旅館街をすぎて塔ノ沢の温泉場です。

400年の歴史ある「環翠楼」、登録有形文化財に指定の建築物の「福住楼」「一の湯」など国道の両側に大小の旅館をバスの中からその外観などを楽しみながら山を登っていきます。

山道のカーブをくなくな走り、大平台温泉では熱くてよかった印象の「姫の湯」がありました。

さらに走って、宮ノ下温泉ではリニューアルした「富士屋ホテル」がきれいになった様子を見ることができます。

その三叉路を左に登っていくと箱根登山電車の踏切がある小涌谷温泉、二ノ平温泉を通ります。

さらに登ると温泉アミューズメントパークの「箱根小涌園 ユネッサン」が見えて来ます。

プールのように泳げるエーゲ海のようなお風呂、コーヒー風呂、ワイン風呂、体の角質を食べてくれるというドクターフィッシュのお風呂とか。

雨の日でも家族で楽し流ので、「どこか良いところありますか?」と聞かれたら、お子様連れなら迷わず「ユネッサン」をお勧めします。

さらに国道を芦ノ湖に向けて走り「芦ノ湯」で下車します。

路線バスの旅ですが、バス停のアナウンスだけでなく、箱根外輪山の話、箱根7湯の話など箱根観光案内をしてくれるのです。

久々に案内を聞きながら窓の景色を眺めると「ああそうだったんだ」と地元の再確認ができました。

バス停「芦ノ湯」を下車して歩くこと5〜6分で老舗旅館が並んで建っています。350年の歴史ある「松坂屋本店」、300年の「美肌の湯 きのくにや」どちらも自家源泉でたっぷりの湯量でいにしえの時代からの歴史を感じる旅館です。

今回まず体験入浴するのは「山形屋」の掛け流し温泉です。

かつては小さな旅館だったらしい外観で、散策する人たちが「日帰り湯治」の看板を見てふと立ち止まって中を確かめたくなります。

箱根 芦ノ湯温泉

入り口を入ると無人です、セルフ受付、大人、子供同一料金500円を料金ポストに入れるだけです。

館内案内図が書いてあり、トイレや休憩場所や電気をつけたら必ず消すこと等注意書きもありました。

照明が点いていないので廊下は昼間でもとても暗くて探検気分満載です。

この日は他に誰もいなかったので、女性フロと男性風呂を見比べたら男性フロの方が広かったので迷いましたが、女性風呂に入らなければいけません。

更衣室のドアを開けると3人くらいがちょうどいい広さで3段の棚に籠が3個設置してあります。

残念なことに椅子がないので靴下を履くのにちょいと不便ですが、家庭用のヘルスメーターはありました。

浴室に入ってまず目に飛び込んだのは、気の蓋のある大きな火鉢みたいな、あるいは1人用のお風呂のような樽には水が満ちていました。

説明には「風呂温度調整用 100%源泉湯ざまし」との事。水ではなかった。

温泉温度が熱くて入れない時、水で調節すると温泉濃度が薄まってしまうからでしょうか?

でもよく考えたらシャワーも水も使えない用になっているので、この方法にしたのかもしれません。

私が運営する「箱根金時荘」でも使えそうな良い方法ですが白い濁り湯の湯の花が底に沈んであまりきれいな水に見えそうにないので採用はしないかと思います.

浴槽と洗い場は鉄平石でできていて、岩がゴツゴツ積み上げてある岩風呂です。

女性風呂の浴槽は2人入るのが丁度よい広さです。

カランとシャワーは2箇所あり、ボディソープとシャンプーも設置してあるのに水が止めてありました。

浴槽に入ったら、わーぬるいです。セルフ受付に「本日は41.1℃ AM8:00]と書いてあったけれど、もう15:00だからぬるくなってしまったのか。   実際計ったら41℃でした。

やはり私が熱好きだから物足りなかったようです。

源泉は元箱根温泉と芦ノ湯温泉との蒸気造成温泉の単純硫黄温泉、源泉78.1℃ 、P .H3.9 弱酸性と書いてあります。無色透明ですが硫黄臭します。さっぱりしていながらとろりとまとわりついてきます。

上り湯で硫黄臭を落とす術もなく、じっくり温まって出ることにしましょう

更衣室には飲料水のポットと紙コップが置いてあり、のぼせ防止のための水分補給の気遣いのサービスが嬉しいです。

施設が無人なので他人の屋敷にズカズカと探検気分で「入りまーす」とか「電気つけまーす」とか独り言を言いながらのあっと驚く入浴体験でした。

元来た道を帰りながら、ゆっくり体を温められなかったのが残念と思いながら「美肌の湯」の幟が目に留まり「きのくにや」の玄関に入ってしまいました。

300年の歴史ある老舗旅館で、魯山人、勝海舟、明治天皇など著名人が宿泊している館内展示が否応なしに興味をそそります。

芦ノ湯

早速「美肌の湯」です。自家源泉のメタケイ酸を多く含む硫黄泉が弱アルカリ性でP.H6.9の単純硫黄泉でまったりという言葉がぴったりのとろりん温泉でした。

露天風呂は1人用のお釜の下の丸い樽のようなお風呂が2こあり、湯の花沢温泉からの引湯なのでさっぱりした透明温泉でした。2種類の温泉が楽しめるのは嬉しい事です。

浴室のカランとシャワーは6個、シャンプー、リンス、ボディソープはたっぷりの太いボトルで安心です。

自家源泉の「美肌の湯」は少し濁りを感じる無色なのですが、硫黄の匂いが肌に効くような気がして上り湯で流すのがもったいないように思いました。             本当に肌がツルツル滑らかになったのに気づいたのは、翌朝起きた時でした。

芯から温まってぐっすり眠れて、温泉の効果を体感しました。本当に滑らかな肌触りの美肌になり、嬉しい限りです。

是非是非お試しあれと声を大にして言いたいです。