大平台温泉〈姫之湯〉熱くて丸くてとろりんな温泉です

大平台は、箱根の玄関箱根湯本駅から箱根登山電車にのって20分です。

終点の強羅駅との丁度真ん中に位置する駅です。

箱根登山鉄道は開通100周年を記念して町民に記念乗車券をプレゼントしてくださったので、学生を終え車の免許を取って以来ウン十年ぶりに登山電車に乗りました。

あの頃は長く退屈に感じた車内の時間もとても久しぶりだったので、運転手さんのすぐ後ろに陣取り線路を眺めてわくわくしながら、にわか鉄女になってみました。

子供の頃はトンネルは真っ暗で、車内の明かりが窓に映るぐらいだったのに、今はトンネル内に蛍光灯が等間隔についているので、石を積み重ねた壁面やアールの天井がインディージョーンズで大玉が転がってくるトンネルみたいだと思いました。

箱根湯本駅から次の駅の塔ノ沢駅を過ぎると、アナウンスでトンネルを抜けると鉄橋を渡るので、眼下の早川渓谷楽しんでくださいと案内があります。

鉄橋は登山電車の一大スポットだから、子どものころから鉄橋を渡る時はドキドキしたものです。

乗客が乗り降りしない出山の信号所は急勾配の為に車両の向きを変えるスイッチバックをするための駅で、遥か谷の向こうに今通ってきた鉄橋が見えます。

「こんなに登ってきたんだあ」と感慨深いです。

あじさい電車の走る6月から7月半ばまで、線路両脇には紫陽花がみごとに咲き誇ります。

大平台駅に到着したら、小さな駅です。階段を上って国道にでます。

大平台は何もない所です。

何もない、、、観光目的となる施設がないという意味です。

新宿からロマンスカーに乗って終点の箱根湯本駅の大型ホテルや旅館に泊まるよりも、奥座敷的なもう一つ秘かな地に、ゆっくり静かに泊まりたい、と望む人たちの小さな旅館が16件ほどあります。

国道をぶらぶら歩いて、大平台のランドマークのスーパー丸喜屋さんの角を入って、細い道をつらつら下っていくとまるで迷路。

大平台が一つのラビリンスになっているようです。

その真ん中に姫之湯があります。

駐車場は10台分あるので車でもべんりです。

駐車場の正面に、「美肌の滝」と書かれた温泉が流れていて、20ℓを150円で分けてもらえます。自宅で大平台温泉が味わえるのです。

触ってみたら、寒い日だったのでとてもあったかくて早くお風呂に入りたくなりました。

大平台 滝

横の階段を上って、茶色い暖簾をくぐって、券売機で大人550円のチケットを買って入ります。

姫の湯

入浴後に休憩室を望むなら、入浴+休憩の1300円のチケットもありました。

今回は覗いてみなかったですが、次回はゆっくり休んでみましょう。

10回入ったら1回無料になるポイントカードがあるそうです。

靴を脱いで上がると、正面にはソファーや椅子があり湯上りのお客さんがくつろいでいます。

更衣室入り口には、100円が戻ってこないタイプのロッカーが6個あるので貴重品はこちらにしまってください。

更衣室に入ると18この棚にかごがあるので、空いているときにはゆったり2か所使えます。冬は上着がかさばるので、棚の数が多いのは嬉しいことです。

縁台が1脚、スツールが2脚あるので靴下をはくのにとても楽です。

さて浴室に入りままず目に入ったのは、まあるいお風呂。

ステンレスの手すりがついているのでお年寄りにも気くばりできています。

触ってみたら、少し熱い。

熱い湯が好きな私にはちょうど良い暑さです。

温度計は44℃。ああ 私の好きな温度は44℃なんだと実感しました。

無色透明でとろっとやわらかい感じがします。

前回の宮ノ下温泉では、P.H7.8のきりっとさっぱりの45℃の熱さを体験したので、泉質の違いを感じました。

大平台温泉の泉質は、P.H(ペーハーとは水素イオン濃度を表す数字)8.5とは弱アルカリ性です。

だからとろっと柔らかい肌にまとわりつくように感じました。

ちなみに私の運営する民宿箱根金時荘の大涌谷温泉の泉質は、P.H2.1なのでかなり酸性で白く濁った硫黄泉です。湯の花が白い泥のように浴槽の底にたまるので、毎日温泉をはかして掃除しないといけないので手間がかかります。

姫の湯はカランは4個あり、ボディソープだけ置いてあります。

いつもゆっくり温泉につかるだけなのですが、このボディソープはどんな感じか試してみたら、泡立ちがよく特に気にならない香りでした。

2回温まって上がる更衣室に出ると、ここにもヘルスメーターがありました。

洋服を着ていると、壁の向こうの殿方たちの話声、ドライヤーの音、壁が薄いのか、おしゃべりに熱がこもりすぎたのか、聞くとはなしにハイキングの帰りの模様が聞き取れます。

いっぱい歩いて温泉で汗を流して帰るなんて、きっと満足でしょう。

更衣室を出て、先程のソファーでポカポカの後味を楽しみながら、自販機が3台もあって、酒類、ソフトドリンク、牛乳など。

休憩室を利用する人たちには充実しています。

外へ出てもまだポカポカして冷たい風が気持ち良いくらいです。

迷路のような細い道をつらつら上って、大平台のお買い物を一手に引き受ける丸喜屋さんで、帰りの登山電車のなかで食べるおつまみを手に入れて帰りましょう。

大平台はこじんまりした宿泊施設が16軒ほどあります。

それぞれ日帰り温泉の営業もしているので、露天風呂などを巡ってみるのも楽しいと思います。

大平台温泉は、何もないけれど秘密めいた隠れ家のような温泉場(おんせんば)と呼ぶのが似合う温泉だと思いました。

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